BARTOLINI 8S+9JL1 は、以前自分のベースに搭載していた PJ 構成のピックアップです。サウンドハウスで購入した記録として残していましたが、今読むなら、単なる購入メモではなく、ピックアップ交換で何が変わり、何は変わらないのかを整理しておいた方が役に立ちます。
オリジナルのピックアップと比べると、出力が高く、ベースの音をきちんと拾ってくれる印象がありました。音に深みが出たように感じたことも覚えています。ただし、ピックアップ交換は「音を良くする部品を付ける」というより、弦の振動をどう電気信号へ変えるかを変える作業です。楽器本体、弦、ブリッジ、ピックアップ高、配線、プリアンプ、アンプ側の設定まで含めて考える必要があります。
Strings
D’Addario EXL170 Nickel Wound Bass Strings
ピックアップ交換後の音を判断するときは、弦の状態とゲージをそろえることが重要です。古い弦のままでは、ピックアップの違いと弦の劣化を切り分けにくくなります。
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8S+9JL1 は PJ 構成として見る
8S+9JL1 は、プレシジョンベース型の 8S と、ジャズベース型の 9J 系ブリッジ側ピックアップを組み合わせた PJ 構成として理解すると分かりやすいです。P タイプだけでは出しにくい輪郭を J 側で足し、J タイプだけでは薄く感じる低中域を P 側で支える考え方です。
ただし、古い型番や流通名は、現在の公式製品名と完全に一致しない場合があります。Bartolini 公式で確認できる 9S などの現行情報や legacy pickup 情報を見ると、同じ J-Bass 系でもコイル構造、配線、ネック用とブリッジ用の寸法、時代ごとの仕様が分かれています。この記事では、8S+9JL1 を当時自分が使った組み合わせとして扱い、現行購入時には現在の型番、寸法、配線図、取り付け穴を確認する前提で書きます。
ピックアップは音の入口になる
ベースの音は、木材、弦、ブリッジ、ナット、アンプ、弾き方など、いくつもの要素で決まります。その中でピックアップは、弦の振動を最初に電気信号へ変える部分です。ここで拾い方が変わると、その後の EQ やアンプで作る音の土台も変わります。
ピックアップ交換は、単なる部品交換というより、ベースの声の出方を変える作業に近いと思います。派手な見た目の変化はありませんが、弾いた時の反応、低音のまとまり、中域の出方、音の太さにはかなり影響します。
交換して感じた変化
BARTOLINI は、派手にギラつくというより、太さやまとまりを感じる方向の印象がありました。自分のベースでは、低音がぼやけるというより、音の芯を拾いやすくなったように感じました。
特に印象に残っているのは、音が前に出るというより、ベースらしい密度が増した感覚です。スラップで極端に派手な音を狙うというより、指弾きやフレーズの輪郭を少し太くしたい時に合いやすい方向だと思います。
ただし、この変化をピックアップ単体だけで説明するのは危険です。ピックアップ交換後は、高さ調整、弦ごとのバランス、配線、ポット、コンデンサー、ブリッジや弦の状態まで同時に関係します。交換した部品そのものの個性と、交換後に楽器全体を再調整した効果は分けて考える必要があります。
出力だけで判断しない
ピックアップを交換する時は、出力の高さだけで判断しない方がよいです。出力が高ければ常に良いわけではありません。出力が高すぎると、アンプやプリアンプの入力で扱いにくくなったり、音量は大きいのに輪郭が見えにくくなったりすることがあります。
| 確認する項目 | 見る理由 |
|---|---|
| 出力 | アンプやプリアンプへ入る信号の強さに関わります。ただし、大きければ良いわけではありません。 |
| 低音の締まり | 低音が太いことと、バンド内で輪郭が見えることは別です。 |
| 中域の出方 | ベースラインの存在感や、指弾きのニュアンスに影響します。 |
| 高域の質感 | アタック、ノイズ、スラップ時の抜け方に影響します。 |
| 弦ごとのバランス | ピックアップ高やポールピース位置との関係で、音量差が出ることがあります。 |
| ノイズ | コイル構造、配線、シールド、アース処理に影響されます。 |
ピックアップの評価は、単体のスペックだけでは決まりません。自分のベースで足りないものが、出力なのか、太さなのか、輪郭なのか、ノイズ対策なのかを分けてから選ぶ方が失敗しにくいです。
配線と寸法の確認は避けられない
ピックアップ交換で見落としやすいのは、音の好み以前の取り付け条件です。P タイプ、J タイプ、PJ 構成という言葉だけで判断すると、実際には寸法が合わなかったり、配線の扱いが想定と違ったりすることがあります。
- 今付いているピックアップの長さ、幅、深さ
- ネック側とブリッジ側の J ピックアップ寸法の違い
- 取り付けネジの位置
- キャビティの深さと配線を逃がす余裕
- ポットやプリアンプとの組み合わせ
- パッシブで使うのか、アクティブ回路と組み合わせるのか
- 配線図が現在の個体に合っているか
古い Bartolini の情報を調べると、legacy pickup の配線資料が残っています。これは便利ですが、古い個体や特別な配線仕様もあり得るため、型番だけで作業を決めるのは危険です。実際のリード線、導通、配線図、キャビティ寸法を確認してから作業すべきです。
ブリッジや弦との関係
ピックアップは弦の振動を拾う部品なので、弦そのものやブリッジの状態とも切り離せません。古い弦のままピックアップを交換すると、音が暗い原因がピックアップなのか弦なのか分かりにくくなります。ブリッジ交換後にピックアップを評価する場合も、弦高やピックアップ高が変わるため、同じ条件で比較できているとは限りません。
特に PJ 構成では、P 側と J 側の音量バランスが重要です。片方だけが強すぎると、ミックス時に使いにくくなります。ピックアップを交換したら、アンプの EQ を触る前に、まずピックアップ高と弦ごとのバランスを見た方がよいです。
まとめ
BARTOLINI 8S+9JL1 は、自分のベースでは音を深く拾ってくれる印象のあるピックアップでした。極端に派手な方向ではなく、低音と中域に落ち着いた密度を加える方向に感じました。
ピックアップ交換は、ベース改造の中でも満足感が出やすい部分です。ただし、交換すれば必ず理想の音になるわけではありません。今のベースで足りないものが、出力なのか、太さなのか、輪郭なのか、ノイズの少なさなのかを考えてから選ぶべきです。さらに、寸法、配線、取り付け穴、ピックアップ高、弦やブリッジとの関係まで含めて見ないと、交換後の評価を誤りやすくなります。





「BARTOLINI 8S+9JL1 – ベースの音を深く拾うピックアップ」への1件のフィードバック