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ベースのフィンガーランプとは – 右手の深さ、取り付け位置、仕上げを考える

ベースのフィンガーランプは、弦とボディの間に取り付け、右手の指が弦の下へ深く入り込みすぎることを防ぐパーツです。見た目を変えるための装飾ではなく、ピッキングの深さを物理的に制限し、指弾きのタッチを揃えるために使います。

私も BLADE の 5 弦フレットレスベースへフィンガーランプを取り付けました。浅いタッチで音の粒を揃えやすくなった一方、材料を切って挟めば完成するものではなく、弦との距離、表面の滑り、角の処理まで含めて調整すべきパーツだと分かりました。

フィンガーランプとは何か

フィンガーランプは、指板の終端からフロントピックアップ、または 2 基のピックアップの間などへ取り付ける板状のパーツです。弦の下にある空間を狭くし、ピッキングした指が必要以上に沈み込まないようにします。

指弾きでは、指先を弦へ当てた後、隣の弦やボディ側へ抜きます。このとき指が深く入りすぎると、弦を大きく引っかける動きになり、音量は出ても、速いフレーズで抵抗が増えます。弦ごとに深さが変われば、音量とアタックも揃いにくくなります。

フィンガーランプは、右手の動きを自動的に正しくするものではありません。指が入る余地を狭くし、浅いピッキングを再現しやすい環境を作るものです。

ピックアップを指置きにする方法との違い

フィンガーランプがなくても、ピックアップの上で弾けば、ピックアップの表面が指の潜り込みを止めます。私も以前はこの方法で右手の深さを揃えていました。

ただし、ピックアップを指置きにすると、弾く位置がピックアップ上へ固定されます。指板寄りの柔らかい音、ブリッジ寄りの硬い音へ移動したとき、弦の下の空間が急に広くなり、同じ深さで弾きにくくなります。

フィンガーランプを長く取れば、弾く位置を前後へ動かしても、指先が当たる高さを近づけられます。音色を弾く位置で変えながら、右手の運動量は揃えやすくなる点が違いです。

ランプと弦の距離が効果を決める

フィンガーランプの効果は、ランプが付いているかどうかではなく、弦との距離で決まります。距離が広すぎれば指止めとして働かず、狭すぎれば強く弾いた弦がランプへ接触します。

状態起きやすいこと
弦との距離が広い指が深く入り、ランプの効果を感じにくい
弦との距離が狭い浅いタッチを作りやすいが、強く弾くと弦が接触しやすい
弦高と曲面が合っていない低音弦側と高音弦側で指の潜り込む深さが変わる

多弦ベースでは、指板の R、各弦の高さ、ピックアップの高さに合わせて、ランプ上面にも適切な曲面が必要です。平らな板をそのまま取り付けると、中央の弦と外側の弦で距離が変わる場合があります。

また、弦高を後から変更すれば、ランプとの距離も変わります。フィンガーランプだけを独立して加工するのではなく、ネック、弦高、ピックアップ高を調整した後の演奏状態に合わせる必要があります。

長さと取り付け位置で弾ける範囲が変わる

2 基のピックアップの間だけを埋める短いランプなら、既存の外観を大きく変えず、中央付近の指弾きを安定させられます。一方、指板の終端からリアピックアップ付近までを覆う長いランプなら、弾く位置を広く移動できます。

ただし、長くすれば常に良いわけではありません。ピックアップの高さ調整、取り外し、清掃へ影響することがあります。スラップのプルで弦の下へ指を入れる場所も狭くなります。どの位置で指弾きし、どこでプルするかを先に確認してから形を決めるべきです。

アポヤンドとアルアイレで感じ方が異なる

アポヤンドのように弾いた指を隣の弦へ当てる奏法では、ランプは指が隣の弦へ到達するまでの深さを制限します。アルアイレのように指を外側へ抜く場合も、弦を持ち上げる量を小さくしやすくなります。

浅いタッチで速く弾きたい人には有効ですが、弦を深くつかみ、振幅の大きい音を出したい人には窮屈です。フィンガーランプは奏法の優劣を決めるものではなく、許容する右手の運動量を楽器側で決める部品です。

スラップではプルの空間を確認する

フィンガーランプを取り付けると、プルで指を弦の下へ入れる空間も狭くなります。浅いプルを揃えやすくなる人もいますが、深く引っかけるフォームでは、ランプが動きを妨げます。

指弾きだけで位置を決めず、サムピングとプルを実際に行い、指が入る場所を残します。スラップを多用するなら、指板直下だけを低くする、プルする弦の下に余裕を残すなど、奏法に合わせた形状が必要です。

木材よりも表面と角の仕上げが重要だった

私のフィンガーランプは、工房の助言を受け、当時の東急ハンズで 1,000 円ほどの木板を購入して加工してもらいました。高価な木材を選んだわけではありません。

最初の状態では塗装と表面仕上げが十分ではなく、木目に指が引っかかりました。その後、別の工房で目止めと塗装を行い、ようやく演奏中に使える滑らかさになりました。この経験から、材の銘柄よりも、表面の平滑さ、角の丸め方、塗膜の触感が演奏性へ直接影響すると考えています。

BLADE の 5 弦フレットレスベースに取り付けた木製フィンガーランプ

写真のベースは、中古で購入した BLADE の 5 弦フレットレスです。フレットレスでは、左手の音程だけでなく、右手の位置とタッチによる音色差も大きく出ます。弾く位置を変えながらピッキングの深さを揃えられる点で、フィンガーランプとの相性は良いと感じています。

取り付け前に仮の高さで試す

  1. 普段の弦高とピックアップ高を先に決める
  2. 指弾きする範囲とスラップで指を入れる位置を確認する
  3. 楽器を傷つけない仮設方法を工房へ相談し、高さと長さを試す
  4. 弱いタッチ、強いタッチ、各弦で接触と潜り込みを確認する
  5. 形状を決めた後、表面と角を演奏用に仕上げる

両面テープやねじで安易に固定すると、塗装の剥離やボディへの加工が発生します。固定方法は楽器の仕上げとランプの重量に左右されるため、恒久的に取り付ける場合はリペア工房へ相談した方が確実です。

フィンガーランプが向いている人

向いている慎重に考えたい
浅いタッチで音の粒を揃えたい弦を深く引っかけて強く鳴らしたい
弾く位置を動かしても右手の深さを揃えたい右手の上下動を大きく残したい
速い指弾きで運動量を減らしたい深いプルを使うスラップが中心である
多弦ベースやフレットレスのタッチを安定させたい弦高やピックアップ高を頻繁に変更する

まとめ

ベースのフィンガーランプは、右手の指が弦の下へ入る深さを物理的に制限し、浅いタッチを再現しやすくするパーツです。特に、弾く位置を変えながら音の粒を揃えたい場合に意味があります。

ただし、効果は木材の種類だけでは決まりません。弦との距離、指板の R、長さ、取り付け位置、表面処理、スラップで必要な空間が一体で成立する必要があります。フィンガーランプを取り付けるとは、部品を追加することではなく、自分の右手に合わせて楽器の演奏面を設計することだと思います。

参考
書籍
ベース奏法・調整

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