Les Claypool は、ベースを低音楽器としてだけでなく、リズム、メロディ、効果音のような質感まで含めて扱うタイプのベーシストです。Primus の印象が強いですが、ソロ作品を聴くと、より自由で奇妙な音楽性が前面に出ています。
以前よく聴いていた Of Whales and Woe も、その意味でかなり Les Claypool らしいアルバムです。変わったことをしているのに、ただの奇抜さで終わらず、独特のグルーヴとして成立しているところが面白いです。

Les Claypool のベースが異質な理由
Les Claypool の演奏は、一般的なベースの役割から少し外れています。低音を支えるだけではなく、曲のキャラクターそのものを作る楽器としてベースを使っている印象があります。
- スラップやタッピング的なアタックを、派手な見せ技ではなく曲の質感として使う
- 低音の反復でグルーヴを作りながら、奇妙なフレーズで曲の輪郭を歪ませる
- ベースラインがリズム楽器、メロディ楽器、ノイズ的な役割を行き来する
- 変わったことをしていても、音楽全体のテンションが崩れにくい
Of Whales and Woe の聴きどころ
このアルバムは、Les Claypool のベースが前面に出ていながら、アルバム全体のテンションが比較的一貫しています。強烈な個性はありますが、聴き進めるうちに、その癖の強さ自体がグルーヴとして感じられるようになります。
特に One Better は、ホーンセクションの入り方とベースの動きが噛み合っていて、曲としてのまとまりと Les Claypool らしい暴れ方のバランスが良いです。ベースが炸裂しているのに、曲が散らからないところが面白いです。
変態的なのにグルーヴしている
Les Claypool のすごさは、単に変わったフレーズを弾くことではありません。変拍子的だったり、音色が癖だらけだったり、フレーズが妙にひねくれていたりしても、それがリズムの中心から完全には外れないところにあります。
ベースとしての安定感を保ちながら、曲の表情をかなり強く変えてしまう。そこが、普通の上手いベーシストとは違うところだと思います。
演奏を探す
YouTube で Les Claypool のベース演奏を探す
関連する記事
まとめ
Les Claypool は、ベースの役割をかなり拡張しているプレイヤーです。低音で曲を支えるというより、ベースそのものが曲の人格になっているような演奏をします。Of Whales and Woe は、その自由さと癖の強さを聴きやすい形で感じられるアルバムだと思います。

