Abraham Laboriel は、まさにベースレジェンドと呼びたくなるベーシストです。プレイスタイルが独特で、単にうまいというより、Abraham Laboriel という音楽そのものが出来上がっているように感じます。
何を弾いても、どの楽器を使っても、ベースという範囲の中で Abraham Laboriel になる。後にも先にもこのようなベーシストはなかなかいないと思います。
Abraham Laboriel はどんなベーシストか
Abraham Laboriel は、メキシコ出身のベーシストです。最初はクラシックギターから音楽を始め、その後ベースへ進んだとされています。ジャズ、フュージョン、ポップス、ラテン、ゴスペルなど、非常に幅広い文脈で語られるプレイヤーです。
彼のすごさは、ジャンルをまたいでも自分の音楽性を失わないところです。セッションベーシストとして曲に寄り添いながら、それでも個性がはっきり残る。これは簡単なことではありません。
セッションで曲を支える力
セッションベーシストに求められるのは、自分の技術を見せることだけではありません。その曲に何が必要なのかを瞬時に判断し、音楽全体を支える力が必要です。
Abraham Laboriel のベースは、曲の中で非常に存在感があります。それでいて、曲を壊すような出方ではありません。低音の重心を作り、グルーヴを押し出し、必要な場面で強烈な表現を入れる。そのバランスがすごいです。
ラテン / ジャズ / フュージョン的なグルーヴ
彼の演奏には、ラテン、ジャズ、フュージョン的なグルーヴが自然に混ざっているように感じます。単純な 8 ビートや 16 ビートに収まらない、体の奥から動くようなリズム感があります。
ベースラインがただ拍を埋めているのではなく、音楽の流れを作っています。音の置き方、休符、アクセント、ミュート、アタックのすべてがグルーヴに関わっているように聴こえます。
派手なテクニックだけではない表現力
Abraham Laboriel はテクニックも非常に高いですが、魅力は速さや派手さだけではありません。音色、強弱、フレーズの間、打楽器的なアプローチ、歌うようなフレージングが一体になっています。
元記事でも触れたように、クラシックギターやフラメンコ的な影響を感じる奏法もあります。ラスゲアード的な動きや、スラップとは違う弦を叩くような表現が、演奏の中に自然に出てきます。
何を弾いても本人の音になる
楽器に強く依存しているというより、本人のタッチや音楽性が強いタイプのベーシストだと思います。何を弾いても Abraham Laboriel になる、という印象があります。
これは機材の音ではなく、弾き方、リズム、音価、ニュアンスが作る個性です。ベーシストにとって、かなり到達点に近い話だと思います。
The Chicken の演奏で感じるリスペクト
元記事では、The Chicken の演奏動画について触れていました。ソロ時の周囲の表情からも、Abraham Laboriel へのリスペクトを感じる演奏でした。
演奏そのものだけでなく、周囲のミュージシャンがどう反応しているかを見ると、そのプレイヤーがどれだけ音楽の場を動かしているかが分かります。Abraham Laboriel の場合、ベースが場の空気そのものを変えているように感じます。
Abraham Laboriel のベースをどう聴くか
| 観点 | Abraham Laboriel の魅力 |
|---|---|
| グルーヴ | 曲全体を押し出しながら、低音の重心を安定させる |
| 表現力 | 音色、アタック、ミュート、フレーズで感情の起伏を作る |
| セッション力 | ジャンルを横断しながら、その曲に必要なベースを判断できる |
| 奏法 | クラシックギター的な影響や、打楽器的なアプローチが混ざる独自性 |
| 存在感 | 何を弾いても Abraham Laboriel と分かる個性がある |
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まとめ
Abraham Laboriel のベースは、セッションで曲を支えるグルーヴと表現力が圧倒的です。ラテン、ジャズ、フュージョン、ポップスを横断しながら、曲に必要な低音を作り、それでも本人の個性が残ります。
ベースは単に低音を出す楽器ではなく、曲全体を支え、動かし、時には場の空気まで変える楽器です。Abraham Laboriel の演奏は、そのことを強く感じさせてくれると思います。

