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Primus「Tommy The Cat」- Les Claypool のベースが曲を支配する理由

Primus の「Tommy The Cat」は、Les Claypool のベースを聴く曲としてかなり強烈です。普通のロック曲のように、ギターリフの上でベースが低音を支えるというより、ベースそのものが曲の主役になっています。

元記事で埋め込まれていた YouTube 動画 ID gCnB5RCKl7M は、確認時点で oEmbed が 404 になっており、実物を確認できませんでした。そのため、ここでは現在確認できる公式動画 ID r4OhIU-PmB8 を参照します。タイトルは「Primus – Tommy The Cat (Official Music Video)」、投稿者は PrimusVEVO、公開状態は通常公開、埋め込み再生も可能でした。

ベースが曲の骨格を作っている

「Tommy The Cat」でまず耳に入るのは、Les Claypool のベースです。低音を支えるだけではなく、リズム、リフ、曲のキャラクターをまとめて引き受けています。ベースラインというより、曲全体の骨格そのものです。

この曲のベースは、音程の動きだけでなく、アタックとミュートの質感が強く出ています。弦を叩く音、短く切れる音、粘るように動く低音が重なり、曲全体を奇妙に前へ進めます。普通ならギターやドラムが担いそうな推進力を、ベースがかなり持っています。

そのため、ベースだけを追っても曲として成立しているように聴こえます。低音楽器でありながら、メロディの断片、リズムの起点、音色の癖まで出している。そこが Les Claypool らしいところです。

スラップなのにファンクだけではない

スラップベースというと、ファンクの明るいノリや、きれいに跳ねるグルーヴを想像しやすいです。しかし「Tommy The Cat」のスラップは、もっとねじれています。跳ねているのに、どこか不気味で、笑えるようで落ち着きません。

この違和感は、音色とリズムの置き方から来ています。低音は太いのに、アタックはかなり硬い。フレーズは反復しているのに、語りや歌の入り方で視点がずれます。結果として、踊れるのに変、軽快なのに気持ち悪い、という Primus らしい質感になります。

ここで大事なのは、変わったことをしているだけではない点です。ベースのフレーズには強い反復があり、ドラムと噛み合うことで曲の重心は保たれています。奇妙さはありますが、土台が崩れているわけではありません。

語りとベースの距離感

「Tommy The Cat」は、歌ものというより、語りとリズムが絡む曲として聴くと分かりやすいです。言葉がメロディにきれいに乗るというより、ベースのうねりの上に、しゃべるような声が乗ってきます。

この距離感が面白いです。ベースは細かく動いているのに、声は別の生き物のように曲の上を歩きます。リズムに完全に溶け込むのではなく、少しずれた視点から物語を語る。そのずれが、曲の不思議な雰囲気を作っています。

ベースが主役の曲でありながら、声のキャラクターもかなり強い。だからこそ、単なる演奏テクニックの曲ではなく、Primus の世界観として成立しています。

公式 MV で見える曲の異物感

公式 MV は、曲の異物感を視覚的にもかなり分かりやすくしています。白黒の映像、アニメーション、バンドの演奏が混ざり、普通のライブ映像とも、普通のストーリー MV とも違う質感があります。

音だけで聴くと、ベースの変なグルーヴに意識が向きます。映像込みで見ると、その変さが曲の外側にも広がっていることが分かります。Primus は、演奏が変わっているだけではなく、見せ方まで含めて奇妙なバンドなのだと思います。

だから、この曲を「ベースがうまい曲」とだけ言うと少し狭くなります。Les Claypool のベースは確かに中心ですが、バンド全体の音、声、映像、ユーモアが合わさって、ようやく「Tommy The Cat」になります。

ベース練習として見るときの注意点

この曲をベース練習として見るなら、いきなり全体をコピーしようとしない方が良いと思います。フレーズだけでなく、右手のアタック、ミュート、音の長さ、ドラムとの噛み合いまで含めて難しいからです。

まずは、ベースがどこでリズムを作り、どこで音色を変え、どこで声やドラムと距離を取っているのかを分けて聴く方が良いです。派手なスラップの形だけ真似しても、この曲の気持ち悪いグルーヴにはなりにくいです。

Les Claypool の演奏は、技術の正確さだけではなく、音のキャラクターが非常に強いです。きれいに弾くことと、この曲らしく弾くことは少し違います。その違いを感じると、ベースの役割をかなり広く見られるようになります。

確認したリンク

まとめ

Primus の「Tommy The Cat」は、Les Claypool のベースが曲の骨格を作っている曲です。低音を支えるだけではなく、リズム、音色、キャラクター、奇妙な推進力までベースが担っています。

スラップベースの曲として聴けますが、単なるファンクでも、単なる技巧曲でもありません。語り、映像、バンド全体の歪んだユーモアと組み合わさることで、Primus でしか成立しない曲になっています。ベースがここまで曲の人格を作れる、という意味で、かなり印象に残る一曲です。

参考
作品
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