Totemoi の骨伝導イヤホンをランニング用に使ってみて、これは音質で選ぶイヤホンではなく、耳を塞がずに走るための道具だと感じました。音楽を細かく聴き込むためではなく、周囲の音を残しながら、運動中に最低限の音楽や音声を流すための機材です。
この評価軸を間違えると、骨伝導イヤホンは中途半端な製品に見えます。カナル型イヤホンより低音は弱く、騒音の多い場所では音量を上げても細部は聞き取りにくくなります。一方で、耳穴を塞がないこと、外れにくいこと、汗をかく場面で扱いやすいことには、通常のイヤホンとは別の価値があります。
Ear
Shokz OpenMove
骨伝導イヤホンを今から選ぶ場合の比較対象です。記事中の Totemoi とは別製品ですが、耳を塞がないランニング用イヤホンとして、仕様や価格を確認しやすい製品です。
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骨伝導イヤホンをランニング用として見る
ランニング中のイヤホンで重要なのは、音質だけではありません。車、自転車、歩行者、踏切、信号、後ろから近づく人の気配など、外の音をどれだけ残せるかが大きな条件になります。カナル型イヤホンで耳を密閉すると、音楽は聴きやすくなりますが、周囲の情報は減ります。
骨伝導イヤホンは、耳穴を塞がずに音を届けるため、外音を残しやすい構造です。もちろん、音量を上げすぎれば周囲の音は聞こえにくくなりますし、すべての危険を避けられるわけでもありません。それでも、耳を完全に塞がないという一点は、屋外で走るときには明確な利点です。
Totemoi は低価格な骨伝導イヤホンとして見ていた
私が使った Totemoi は、高級なスポーツイヤホンというより、骨伝導イヤホンを試すための低価格な製品という印象でした。2021 年当時は、ねとらぼリサーチの記事でも Totemoi 骨伝導イヤホン H13 が Amazon の骨伝導イヤホンランキング内で取り上げられており、低価格帯の選択肢として流通していたことが分かります。
ただし、現在は公式情報や継続的な製品ページを確認しにくく、同じ名称でも販売元や仕様が変わっている可能性があります。そのため、今から Totemoi という名前だけで購入判断をするのは少し危ういと思います。この記事では、個別スペックを断定するのではなく、当時使って感じた骨伝導イヤホンの使いどころを整理します。
音質は割り切る必要がある
骨伝導イヤホンの音は、一般的なカナル型イヤホンとはかなり違います。耳の中に密閉空間を作らないため、低音の量感や音の密度は出にくくなります。ベースライン、キック、音場の奥行きまで楽しむなら、通常のイヤホンやヘッドフォンの方が向いています。
ランニング中に求める音は、そこまで細かいものではありません。テンポが分かる、曲の雰囲気が分かる、ポッドキャストや音声案内が聞き取れる。その程度で十分なら、骨伝導イヤホンは成立します。音楽鑑賞用として不利な構造が、屋外運動ではむしろ安全側に働くわけです。
| 用途 | 骨伝導イヤホンの評価 |
|---|---|
| ランニング中の BGM | 周囲音を残しやすく使いやすい |
| ポッドキャストや音声案内 | 静かな道なら聞き取りやすい |
| 電車内での音楽鑑賞 | 騒音に負けやすく音漏れも気になる |
| ベースラインを聴き込む用途 | 低音の量感が不足しやすい |
| 楽器練習や DTM | 遅延と音質の面で向かない |
外れにくさは大きな利点
ランニング用として見ると、外れにくさはかなり重要です。完全ワイヤレスイヤホンは身軽ですが、汗や振動で片側だけ落ちると面倒です。走っている途中で耳から外れ、歩道や道路に転がる可能性もあります。骨伝導イヤホンは耳掛け型や後頭部側で支える形が多く、耳穴へのフィットだけに依存しないため、運動中の安心感があります。
Totemoi でも、音質よりこの装着の安定感の方が印象に残りました。走る、歩く、汗をかく、少し首を動かす。そうした場面で、耳の中にイヤーピースを押し込む必要がないのは楽です。長時間使ったときの耳の圧迫感も、カナル型より少なく感じました。
音漏れと騒音には弱い
耳を塞がない構造は、周囲の音が聞こえる一方で、音楽も外へ逃げやすくなります。静かな室内、図書館、電車内では音漏れが気になる場合があります。ランニング中でも、信号待ちや人が近い場所では音量に注意が必要です。
また、幹線道路沿いや風の強い場所では、音が周囲の騒音に負けます。耳を塞がない以上、外音を消して音楽だけを聴くことはできません。これは欠点ですが、ランニング用としては前提でもあります。周囲の音が聞こえないほど音量を上げるなら、骨伝導イヤホンを選ぶ意味が薄くなります。
現行製品と比較するときの見方
今から骨伝導イヤホンを選ぶなら、Totemoi だけでなく、Shokz や BoCo などの現行製品も比較した方がよいです。Shokz OpenMove は耳を塞がないスポーツ向けの骨伝導イヤホンとして、6 時間のバッテリー、IP55 防塵・防水、Bluetooth 5.1 などを公式に確認できます。BoCo earsopen PEACE TW-1 も、耳を塞がない使い方を前提にした製品として比較対象になります。
比較するときは、価格だけでなく、防水性能、重量、装着方式、バッテリー、充電端子、マイク品質、交換部品やサポートの有無を見ます。ランニング用なら、特に防水性能と装着安定性は重要です。安い製品で骨伝導の感覚を試すのはありですが、長く使うならメーカー情報を確認できる製品の方が安心です。
WI-C310 とは役割が違う
先に整理したソニー WI-C310 は、普段使いの Bluetooth イヤホンとしては扱いやすい製品でした。左右がつながっていて失くしにくく、電池持ちも長く、移動中の音楽再生に向いています。ただし、耳は塞ぎます。屋外で走るときに周囲の音を残すという点では、骨伝導イヤホンの方が目的に合います。
つまり、WI-C310 と Totemoi は優劣というより役割が違います。音楽を普通に聴くなら WI-C310 のようなイヤホン、走りながら外音を残したいなら骨伝導イヤホン。用途を分ければ、どちらも中途半端ではなくなります。
まとめ
Totemoi の骨伝導イヤホンは、音楽鑑賞用として高く評価する製品ではありません。低音は弱く、騒音下では聞こえにくく、静かな場所では音漏れにも注意が必要です。しかし、ランニング中に耳を塞がず、周囲の音を残しながら音楽や音声を流す道具として見ると、価値は分かりやすくなります。
骨伝導イヤホンは、良い音で没入するための機材ではなく、外の世界と切り離されすぎないための機材です。ランニング用として割り切るなら、Totemoi を使った経験はそのことを理解する入口になりました。今から選ぶなら、同じ発想を持つ現行製品と比較し、防水性能、装着安定性、サポートまで含めて判断するのがよいと思います。
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