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MXR M80 Bass D.I.+ レビュー – Clean、Color、Distortion の使い分け

MXR M80 Bass D.I.+ は、ベース用の 3 バンド EQ、クリーンプリアンプ、ディストーション、ノイズゲート、バランス XLR 出力を一台にまとめたペダルです。機能数だけを見ると万能機に見えますが、実際には Clean、Color、Distortion で有効になるコントロールが異なります。

私は Clean 側の扱いやすさを評価していますが、Distortion の高域寄りの質感と、Color の強い変化は好みが分かれると感じています。「全機能を常に使う」より、Clean / DI を基準にし、必要な場面だけ Color や Distortion を加える方が、この機材の役割を理解しやすいと思います。

関連
機材
ベース用プリアンプ / DI

MXR M80 Bass D.I.+

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M80 の 3 つの状態を分ける

状態フットスイッチ主に使う機能
BypassEffect オフプリアンプ効果を外した状態
CleanEffect オン / Distortion オフClean Volume、Color、Bass / Mid / Treble
DistortionEffect オン / Distortion オンGain、Blend、Distortion Volume、Gate / Trigger、Bass / Mid / Treble

右側の Distortion フットスイッチだけを押しても、Effect 側がオフならディストーションモードにはなりません。Distortion は Effect 回路が有効な状態の内側にあると考えると分かりやすいでしょう。

Clean は DI と EQ の基準にしやすい

Clean モードは、楽器本体の音を比較的素直に残しながら、Clean Volume と 3 バンド EQ でレベルと帯域バランスを整えられます。ボードの後段に置き、PA へ送る前の基準音を作る用途に向いています。

EQ中心周波数可変幅
Bass60 Hz±18 dB
Mid850 Hz±10 dB
Treble4 kHz±12 dB

Mid は 850 Hz に固定されているため、パラメトリック EQ のように中心周波数を選ぶことはできません。それでも、ベースの輪郭、弦の存在感、バンドの中での抜けに関わる帯域を、素早く調整するには実用的です。

Color は Clean でのみ有効になる

Color は、Clean モードで使うプリセット EQ です。公式マニュアルでは、ベースにパンチ、定義感、クラリティを加える設定として説明されています。私の耳では、オンにすると低域と高域が前へ出て、相対的にミドルが引っ込んだドンシャリ寄りの印象になります。

Color は、少ない操作で派手なベース音を作れる一方、編成によってはギターとドラムの間でベースの中域が見えにくくなります。ヘッドフォンで単独の音を聴いて決めるより、バンド全体の中でベースの音程とリズムが追えるかを確認した方がよいでしょう。

また、Clean Volume と Color は Distortion モードでは操作対象になりません。「Color をオンにしたまま Distortion へ切り替えたから、同じ Color 設定に歪みが加わる」と考えると、実際のコントロール構造とずれます。

Distortion は Clean と歪みを Blend する

Distortion モードでは、Gain で歪み量、Blend でクリーン信号と歪み信号の割合、Distortion Volume でモード全体の出力レベルを調整します。ベースは低域の基音が曲全体を支えるため、歪み成分だけで音を完結させず、Blend で原音を残せることに意味があります。

私は M80 の歪みを、高域寄りでギター的な荒さが出やすいと感じています。Gain と Blend を大きく上げるとギャリギャリした質感が前に出るため、ポップスのどの曲にも合わせられる歪みというより、ロックやラウド系で明確なキャラクターが必要な場面に向くと思います。

ただし、それは歪み回路単体の評価ではありません。ベース本体の出力、Gain、Blend、3 バンド EQ、弾き方の組み合わせで結果は変わります。まず Gain を抑え、Blend を小さくした状態から必要な分だけ加えると、低域の芯を残しやすくなります。

Gate / Trigger は歪みの無音時ノイズを扱う

Distortion 回路にはノイズゲートがあり、Gate スイッチと Trigger ノブを連動させて使います。Trigger は、どの入力レベルまでをノイズとみなして閉じるかを決めるしきい値です。歪みを深くしたときのハムやヒスを抑えられます。

しかし、Trigger を上げすぎると、弱く弾いた音の立ち上がりや、伸びている余韻まで切られます。まず Gate を切った状態で歪み量とノイズ源を確認し、その後に演奏ニュアンスを失わない範囲でしきい値を上げるべきです。

Direct Output と Parallel Output の違い

出力信号接続先
OutputM80 のモードとエフェクト状態を反映するアンバランス出力ベースアンプ、後段エフェクター
Direct OutputPA やミキサーへ送るバランス XLR 出力PA ミキサー、録音機材
Parallel Output入力信号を別系統へ分ける出力チューナー、別系統の処理機材

ライブでは、Direct Output から XLR で PA へ送り、Output からステージ上のベースアンプへ送る構成が取れます。Parallel Output はチューナーへの分岐に使えるため、チューナーを直列に入れずに信号経路を分けられます。

ファンタム電源とグランドリフト

M80 は 9 V 電池、Dunlop ECB003 アダプター、対応パワーサプライに加え、Direct Output の XLR ケーブルを通じたファンタム電源でも動作します。PA ミキサーから電源を供給する場合は、Phantom / Ground スイッチをファンタム電源側にします。

ベースアンプと PA の両方に接続したとき、グランドループによるハムが出る場合は、スイッチを Ground Lift 側にして状態が変わるかを確認します。ただし、ノイズの原因がピックアップ、電源、ケーブル、歪みのゲインにある場合、グランドリフトでは解決しません。

SansAmp、EBS MicroBass II、BOSS DI-1 との違い

機材中心的な役割特徴
MXR M80 Bass D.I.+Clean / DI を基準に、必要時に歪みを加える2 モード、Color、Blend、Gate を一台に統合
SansAmp Bass Driver DI v2アンプ / キャビネット的な質感を作るDrive、Blend、Presence、Mid / Bass Shift
EBS MicroBass II複数の入出力とクリーン / ドライブ音を管理する2 チャンネル、FX ループ、ヘッドフォン
BOSS DI-1汎用 DI として信号を送る音作り機能を必須にせず、幅広い入力に対応

まとめ

MXR M80 Bass D.I.+ は、Clean の EQ / DI、Color のプリセット EQ、Blend 可能な Distortion、ノイズゲートを一台にまとめた、ライブ向けの実用的なフロントエンドです。どのコントロールがどのモードで有効かを分けると、多機能さを混乱なく扱えます。

私なら Clean / DI を基準にし、Color はバンド全体でミドルが見える曲に限定し、Distortion は Blend を抑えた状態から調整します。全機能を常時オンにするのではなく、クリーン、プリセット EQ、歪みを曲と信号経路に応じて分けることが、M80 の使いやすさにつながります。

参考情報

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