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株価が上がっても生活が楽にならない理由 – 日経平均、賃金、物価を分けて見る

日経平均が上がっても、生活が楽になったとは感じにくいことがあります。ニュースでは、日経平均が過去最高値を更新した、TOPIX が堅調だ、NISA で投資信託を買う人が増えた、といった話が出てきます。一方で、スーパーでは食品が高く、電気代も重く、外食も以前より高く感じる。賃金が少し上がっても、手取りや生活の余裕はそれほど増えていない。このとき、「株価が上がっているのに、なぜ生活は楽にならないのか」と感じるのは自然です。

ただし、株価と生活実感は、同じ経路で動いているわけではありません。

株価上昇を見るときは、日経平均や TOPIX だけでなく、保有資産、賃金、物価、家計支出、企業利益への分配を分けて考える必要があります。

株価は資産を持っている人に先に効く

株価上昇の恩恵は、まず株式や投資信託を持っている人に現れます。NISA で日経平均連動型の投資信託や、全世界株式、米国株式の投資信託を持っていれば、株価上昇は評価額に反映されます。しかし、株式を持っていない人には、その恩恵は直接届きません。また、投資信託を持っていても、評価額が増えただけでは日々の生活費が増えるわけではありません。売却しない限り、家計の現金収入にはなりません。つまり、株価上昇は資産価格には効きますが、すぐに生活費を楽にするとは限りません。

賃金に反映されるまでには距離がある

株価が上がる背景には、企業利益への期待があります。企業の業績が良くなり、将来も利益が伸びると見られれば、株価は上がりやすくなります。しかし、企業利益が増えたからといって、それがすぐに賃金へ回るとは限りません。利益は、配当、自社株買い、設備投資、内部留保、借入返済、賃上げなど、複数の行き先に分かれます。株主への還元が増えても、従業員の賃金が十分に増えなければ、生活実感は変わりにくいです。

見る対象生活実感との関係
日経平均・TOPIX市場全体の期待を示すが、家計収入そのものではない。
NISA・投資信託保有していれば評価額に反映されるが、売却しなければ生活費にはならない。
企業利益賃金、配当、投資、内部留保などに分配される。
賃金生活実感に直接効くが、企業利益からの距離がある。
物価食品、電気代、家賃、外食などを通じて生活負担に直結する。
手取り税金や社会保険料を差し引いた後の実際に使えるお金。

株価が上がっても生活が楽にならない理由は、株価、企業利益、賃金、手取り、物価のあいだに距離があるからです。市場の上昇と家計の改善は同じではありません。

物価上昇があると、賃上げの実感は薄くなる

賃金が上がっても、物価も上がれば生活の余裕は増えにくくなります。月給が 1 万円増えても、食品、電気代、通信費、家賃、保険料が同時に上がれば、手元に残るお金は思ったほど増えません。さらに、税金や社会保険料の負担もあります。生活実感を考えるなら、名目賃金だけではなく、実質賃金と手取りを見る必要があります。

株価上昇は悪いことではないが、万能ではない

株価が上がること自体は悪いことではありません。企業の資金調達、年金運用、NISA 口座の評価額、投資家の資産形成にはプラスに働く面があります。ただし、株価上昇をそのまま生活改善と見なすのは違います。株価は資産市場の価格です。生活実感は、賃金、物価、固定費、税金、社会保険料、雇用の安定によって決まります。そこを混ぜると、景気が良いと言われているのに生活が苦しい、という違和感の理由が見えなくなります。

まとめ

日経平均や TOPIX が上がっても、それだけで生活が楽になるわけではありません。株価上昇は、まず株式や投資信託を持っている人の資産価格に効きます。それが企業利益、賃金、手取り、家計の余裕へ届くまでには距離があります。一方で、食品、電気代、家賃、外食などの物価上昇は、生活に直接効きます。だから、株価が上がっても生活が楽にならないと感じることは不自然ではありません。重要なのは、株価、資産価格、賃金、物価、手取りを分けて見ることです。

株価上昇は景気や企業収益の一部を示しますが、生活実感そのものではありません。生活が楽になるかどうかは、賃金、手取り、物価、固定費まで見ないと判断できません。

参考
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