現在、多くの企業が自社開発に注力しています。この傾向により、SIer(システムインテグレーター)のビジネスモデルが不確実になっていると考えられます。
現代の IT システムは運用段階で成熟しており、単発的なプロジェクトに特化した SIer は十分な知識や経験を持ち合わせていないことがあり、顧客側の方が深い知識を持っていることもあります。また、企業が SIer に依頼する際には受発注の手続きが必要であり、手間や不必要なオーバーヘッドが発生します。
一方で、日本では事業会社と SIer が協力してシステム化を進める文化が根付いており、大手 SIer はかなりの規模を誇っています。日本の高度な技術を持つエンジニアの多くは SIer に集まっています。ただし、全てのエンジニアが SIer で働くわけではありません。事業会社の規模や文化によって、どちらが良いかは異なります。事業会社が大規模であれば、エンジニアとして魅力的ですが、中小企業の場合は状況が異なります。
中途半端な中小の IT 事業会社は、自社の実力や弱点を把握していない、あるいは認識したくないという場合があります。しかし、IT 業界全体を俯瞰して自己分析できない企業は、正当な IT 企業とは言えません。
結論として、日本でエンジニアとして働く場合、一定規模の IT 系事業会社を選択するのが良いと思います。そして、中途半端な中小の IT 事業会社よりも SIer で働く方が良いでしょう。これは、中途半端な中小の IT 事業会社では、先端的な技術に触れられる可能性が限られ、非エンジニア的な業務の割合も多くなるからです。
SIer はオワコン論と中途半端な IT 事業会社の比較