私は農家の家庭で育ちましたが、農業の道を選ばずにシステムエンジニアとして生計を立てています。この経験から、農業における IT サポートの矛盾について考えてみたいと思います。
日本の農業は一部機械化されていますが、依然として肉体労働が主要な役割を果たしています。私の父は農業を続けており、おそらく将来私が農業を引き継ぐことを期待してきたでしょう。しかし、私はその期待に応えることはありませんでした。多くの農家の子供が同様に農業を選ばずに別の職業に進んでいるのも、農業の収益性の低さや過酷な労働、社会的な地位の低さが理由です。
しかし、近年、日本全体で農業に対する関心が高まっています。健康志向や安全志向、地産地消などが挙げられます。こうしたトレンドに合わせて、多くの企業が農業に関わるようになっています。
しかしここで問題が生じます。これらの企業は実際には農業を行っていません。彼らが求めているのは肉体労働ではなく、優れた教育を受けて優良企業に就職することです。
私は農業を継いでいない立場からの意見ですが、中途半端な形での農業支援はやめるべきです。現代農業が求めているのは、単にサポートするのではなく、本質的に農業を行う人材の増加です。このような中途半端な支援は農家を侮辱する行為です。
企業として、富士通の ICT サポートも同様の批判を受けるべきです。将来的に農業のあり方が変わるかもしれませんが、現時点での状況をしっかりと考えるべきです。
一方で、農業の IT 化を進めるのは非常に重要です。ですが、農業の主体は農業を営む人たちであることは間違いなく、IT 化についても農業者が主体になって取り組むべきだと考えます。これは他の事業会社もそうしているようにです。