科学技術のリスクについて、「朝まで生テレビ!」で原発について議論されていたので、それに触発されてこの記事を書いています。
現代は様々な科学技術があり、それの恩恵を受けることで、私たちは現代的な生活を送ることができています。それらの技術にはリスクも存在しますが、科学者やエンジニアは、そのリスクを最小限に抑えるための努力を常に行なっています。
今回の「朝まで生テレビ」では、原子力発電所の是非について議論されていますが、東日本大震災が原子力発電所を廃止する決定的な要因となるのでしょうか?番組内で発言した人物は、「100% 安全な科学技術は存在しない」と述べています。また、自動車事故の例を挙げ、交通事故の数は減少していますが、それでも年間で 5000 人近くが亡くなっていると指摘しています。
私の意見としては、原発を単純に廃止することは短絡的な思考であると考えています。原子力発電は未だ完全に解明されていない科学的な要素が多く含まれていますが、これは文字通り原子の反応を扱うからであり、それを完全に理解するのは、少なくとも素粒子の仕組みを全て明らかにする必要があります。これは様々な理論で科学者たちが議論していますが、数年で結論を出せるようなものではありません。一方で、原子力発電は二酸化炭素の放出が非常に少ないクリーンなエネルギーであることも事実ですし、原子力を扱うことは科学的知見を高めるために避けては通れないものです。
また、原子力には多くの利権が絡んでいることも事実です。このため、安全に運用するという最も大事なことが置き去りになるケースもあるかもしれません。今回の震災でも冷却設備の冗長化(多重化)の問題がありました。もちろん冗長化にはコストがかかるのですが、人命に関わる状況を大規模に引き起こす可能性のある原発においては必要不可欠であることは言うまでもありません。
では、どうすれば良いのでしょうか?
一般論ではありますが、リスクを適切に評価し、政治家が適切に議論を行い、最終的な判断は国民が行うべきです。メディアの騒ぎに惑わされず、短絡的な判断を避けることが重要です。