VyOS をルーターとして使い始める前に、管理 IP、SSH、DNS、NTP、SNMP などの基本設定を先に確認します。NAT、PPPoE、VPN、PBR、VRF を設定する前に、管理できる状態を作っておくと、後続の切り分けが楽になります。
vyos 基本設定 で調べる時に重要なのは、コマンドを並べることだけではありません。どのインターフェイスから管理するのか、名前解決と時刻同期が動くのか、ログと監視で状態を追えるのかを最初に決めます。
この記事では、VyOS 1.5 系で読むことを前提に、初期設定として確認したい管理 IP、static route、SSH、DNS、NTP、SNMP、確認コマンドをまとめます。細かな表示やコマンド差分は利用している ISO と構成で確認してください。
書籍
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この記事の結論
- NAT や VPN の前に、管理 IP と SSH の入口を決める
- IPv4 / IPv6 のアドレスと default route を片方だけで終わらせない
- DNS と NTP はログ、証明書、外部参照の前提になる
- SNMP を使う場合は listen-address と権限を限定する
- 設定後は
show configuration commandsと実疎通を分けて確認する
基本設定で確認する項目
| 項目 | 目的 | 確認すること |
|---|---|---|
| 管理 IP | SSH や監視の入口を作る | 管理 subnet と interface の役割 |
| Static route | 外部や管理先へ到達する | IPv4 / IPv6 の default route |
| SSH | 管理操作を行う | listen-address と接続元制限 |
| DNS | 名前解決を使えるようにする | 上流 DNS と domain-name |
| NTP | ログと証明書検証の前提を作る | 時刻同期の状態 |
| SNMP | 監視から状態を見る | 読み取り権限と待受アドレス |
管理 IP を設定する
まず、管理に使うインターフェイスへ IPv4 / IPv6 アドレスを設定します。インターフェイスの説明も入れておくと、後から設定を見た時に役割を追いやすくなります。
configure
set interfaces ethernet eth1 address '10.0.0.1/24'
set interfaces ethernet eth1 address 'fd00::a00:1/120'
set interfaces ethernet eth1 description 'inside-management'
commit
saveStatic route を設定する
外部へ出る経路が固定であれば、default route を明示します。IPv4 と IPv6 を併用する場合は、片方だけ設定して終わりにしないことが重要です。
configure
set protocols static route 0.0.0.0/0 next-hop 10.0.0.254
set protocols static route6 ::/0 next-hop fd00::a00:fe
commit
saveSSH の待受を制限する
SSH は管理入口なので、待受アドレスを管理用ネットワーク側に限定します。特に WAN 側や外部接続側で待ち受けないように、どのアドレスで管理するかを明確にします。
configure
set service ssh port '22'
set service ssh listen-address '10.0.0.1'
commit
saveホスト名と DNS を設定する
ホスト名、DNS サーバー、ドメイン名を設定します。ログ、監視、証明書、外部リポジトリ参照などは名前解決に依存するため、DNS が不安定だと別の問題に見えてしまうことがあります。
configure
set system host-name 'vyos-rt01'
set system name-server '10.0.0.53'
set system domain-name 'example.local'
commit
saveNTP を設定する
NTP はログの時系列や証明書検証の前提になります。OpenVPN や TLS 系の設定を扱う場合も、時刻が大きくずれていると証明書の有効期限確認で問題になります。
configure
set system ntp server 'ntp.nict.jp'
commit
saveSNMP を使う場合
SNMP を使う場合は、コミュニティ名を秘密情報として過信せず、読み取り専用、待受アドレス、到達可能なネットワークを制限します。不要なら無理に有効化しません。
configure
set service snmp community monitoring-ro authorization 'ro'
set service snmp listen-address '10.0.0.1'
commit
save確認する
設定後は、設定が入っていることと、実際に到達できることを分けて確認します。設定コマンドの表示だけでは、Firewall や経路の問題は見えません。
show configuration commands | match 'interfaces ethernet eth1'
show configuration commands | match 'service ssh'
show configuration commands | match 'name-server'
show ntp
show interfaces ethernet eth1
show ip route
show ipv6 routeよくあるつまずき
| 症状 | 見る場所 | 考え方 |
|---|---|---|
| SSH できない | listen-address、管理 IP、Firewall | SSH サービスと経路を分けて見る |
| 名前解決だけ失敗する | name-server、domain-name、上流 DNS | 疎通と DNS を分ける |
| ログ時刻がずれる | NTP、時刻同期、到達性 | 証明書や障害調査にも影響する |
| IPv6 だけ外に出ない | route6、RA、Firewall | IPv4 の成功だけで判断しない |
| 監視から見えない | SNMP listen-address、ACL、経路 | 監視経路と管理経路を確認する |
まとめ
VyOS は設定コマンドを投入して commit、save する流れが基本です。ただし、NAT や VPN の前に、管理 IP、SSH、DNS、NTP、SNMP の入口を確認しておくことが重要です。
基本設定は地味ですが、障害時にルーターへ入れるか、ログの時刻を信頼できるか、名前解決が動くか、監視で状態を見られるかを左右します。最初に管理できる状態を作ってから、PPPoE、NAT、Firewall、VPN、PBR へ進むと切り分けがしやすくなります。

