Overview
EBS MicroBass 2 は、EBS が提供するコンパクトで多機能なアウトボード・プリアンプであり、ライブやレコーディングなどのあらゆるシーンで活躍します。単純に DI としても有能です。このプリアンプは 2 チャンネル仕様となっており、A チャンネルと B チャンネルにはそれぞれ異なる回路が備わっています。Aチャンネルはパッシブベース向けに設計され、エンハンススイッチやブライトスイッチ、イコライザーなどの機能が搭載されています。一方、B チャンネルにはミドルレンジのイコライザーやクラス A ドライブシミュレーターが組み込まれています。さらに、A チャンネルと B チャンネルをミックスして使用することも可能であり、1 つのインプットのみを使用しても全ての機能が利用できます。また、MUTE スイッチやエフェクターのセンドリターン、ミックスコントロール、スピーカーシミュレーター(XLR バランスアウトのみ)など、ステージでの使用を想定した機能が充実しています。
仕様は以下の通りです。
項目 | 内容 |
---|---|
コントロール | ボリューム、ドライブ、エッジ、ミドル・フリークエンシー、ミドル、FX ミックス SW、チューブシミュレーション SW、エンハンスフィルター SW、ブライト SW、トレブル、ベース、ゲイン、ミュート SW、A/B 切替 SW、スピーカーシミュレーター SW |
入出力 | インプット (A/B)、アウトプット、XLR アウト、エフェクトセンド/リターン、ヘッドフォン |
電源 | 9V DC アダプター(別売り) |
所感
私の印象として、EBS MicroBass 2 はコントロールが多く、使いこなすには慣れが必要です。A と B の 2 チャンネルあり、それぞれの INPUT もあるのですが、同じプリアンプを 2 つの楽器で使うケースは滅多にないと思いますので、現実的に両方のチャンネルを 1 つの楽器で使うことになると思います。
以下、私の使い方を紹介します。
DI として使う
EBS MicroBass 2 は、単純に DI として使用できます。各コントロールの設定を DI の出力に反映させるには、左側面の Pre EQ を ON にする必要があります(引っ込んでいると OFF になります)。また、DI では Spkr Sim(スピーカーシミュレーター)を利用することができます。Gnd Lift は、一般的な DI に備わるノイズ対策のためのスイッチです。48V のファンタム電源を使用した方が、私の好みの出音でした。
A チャンネルのみで使用
A チャンネルはクリーンチャンネルです。これだけでも EBS らしい、太く、高級感のある音になると思います。最終的に A+B チャンネルでの使用をお勧めしますが、最初は A チャンネルのみで雰囲気をつかんでみると良いと思います。Bright スイッチは、トレブルが際立ってスラップ向きになりますが、細かく調整するにはトレブルを使用した方が良いと思います。DI では、BOOST が A チャンネルの唯一のボリューム調整となりますが、上げすぎるとすぐに歪んでしまうので、9 時くらいで使用しています。
A+B チャンネルで使用
B チャンネルは歪みチャンネルですが、その歪みは少々荒々しいため、私の場合は使いづらいと感じています。そのため、B チャンネル単体では使用せず、A+B チャンネルでミドルのコントロールとして活用する方が有益だと考えています。FREQ の幅が広いため、使い方によっては混乱しやすいですが、一方で痒いところに手が届くメリットもあります。ミドルが強めのベースを扱う場合は、適切な部分をカットすればスッキリとした音になります。使いこなすのが難しい場合は、A チャンネルのみを使用する方が無難かもしれません。かなり分かりづらい仕様ですが、B チャンネルのミドルイコライザーは、Enh. Filter スイッチでトレブルの変化する範囲が変わります。これにより、ミドル周辺にも影響が及ぶでしょう。
FX Send/Return
ペダルのプリアンプではあまり見ない FX Send/Return が付いています。FX の音の割合もコントロール可能ですので、ディレイ等はここにつなぐと良いと思います。
みんなのレビュー
EBS MicroBass 2 に対するみんなのレビューコメントを要約してみました。
- コントロールが多いため、理解して詳細な設定をするのが難しい。
- ミュート機能が素晴らしい。
- 特定の周波数帯域が必要な人に最適。
- バージョン違いがあり、初期型と現行型の違いに注意が必要。
- セッティングの幅が広く、特にミドルの細かい調整が可能。
- プロが推奨するアコースティックサウンドが得られる。
- 音作りの幅が広く、EBS らしい太い音になる。
- 様々な音色が出せるが、音量差などの制約がある。
- 素晴らしいプリアンプだが、価格が高い。
- フットスイッチでの音色切り替えができる。