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Ubuntu 22.04 と CentOS の違い – サーバー運用で見る設計思想

この記事の位置づけ

Ubuntu 22.04 を CentOS / RHEL 系の運用経験と比較しながら理解するための記事です。パッケージ管理、ネットワーク設定、セキュリティ機構などの違いを整理します。

Ubuntu 22.04 サーバー構築・運用メモへ戻る

Ubuntu と CentOS を比較する観点

CentOS と Ubuntu は、どちらも Linux の代表的なディストリビューションですが、その設計思想と発展の方向性には明確な違いがあります。

ここでは、それぞれの特徴を「構造」「運用」「現代的適用」の 3 つの観点から整理します。

ディストリビューションとしての性格の違い

CentOS / RHEL 系は、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)を母体としており、企業向けの安定性と長期サポートを最優先に設計されています。

一方で Ubuntu 系は、Canonical 社による独立開発で、Debian をベースにしながらも開発サイクルが速く、クラウドやコンテナ環境への対応を重視しています。

更新ポリシーにも違いがあります。RHEL 系は保守的で、安定版を長期間維持するモデル。Ubuntu は LTS(Long Term Support)を中心に、より短い周期で新機能を取り込みます。

項目CentOS / RHEL 系Ubuntu 系
パッケージ管理rpm + dnf / yumdeb + apt
更新モデル安定重視(保守的)継続更新(rolling + LTS)
セキュリティSELinuxAppArmor
ネットワーク設定NetworkManagerNetplan
標準ファイアウォールfirewalldufw
コンテナ実行基盤Podman / CRI-ODocker / containerd
仮想化KVM(libvirt)KVM(virt-manager / cloud-init)
オーケストレーションKubernetes(手動導入)MicroK8s / kubeadm など

パッケージ管理の違い

CentOS は rpm パッケージを dnf(旧 yum)で管理します。

Ubuntu は deb パッケージを apt で扱います。機能的な差はほとんどありませんが、APT は依存関係の処理が高速で、スクリプトや自動更新との親和性が高いのが特徴です。

ネットワークとシステム運用の違い

CentOS では NetworkManager が標準的なネットワーク管理ツールとして採用されています。

Ubuntu では、サーバー版では Netplan、デスクトップ版では NetworkManager が使われます。Netplan は YAML 形式で設定できるため、Ansible などの構成管理ツールと非常に相性が良いです。

ファイアウォールに関しては、CentOS では firewalld、Ubuntu では ufw(Uncomplicated Firewall)が標準です。

どちらも内部的には nftables/iptables を使っていますが、ufw は扱いやすく、firewalld はゾーン制御など大規模向けの柔軟性を持ちます。

一方で、運用ポリシーを統一したい場合は、どちらの OS でも直接 nftables を扱う方が管理しやすいです。

セキュリティポリシーの違い(MAC)

CentOS は SELinux(Security-Enhanced Linux)、Ubuntu は AppArmor を採用しています。

SELinux は強力ですが、ポリシーの設計・運用が難しく、誤設定によるサービス停止なども起こりやすいです。

AppArmor はプロファイルベースで軽量に動作し、サーバー構築の自動化とも親和性が高い設計です。

どちらも有効に使うには仕組みを理解する必要がありますが、Ubuntu の方が扱いやすい印象です。

権限管理と sudo の文化

Ubuntu は初期インストール時から「sudo 権限を持つ一般ユーザー」で管理する方式を採用しています。

CentOS でも sudo を導入すれば同様の運用は可能ですが、root で直接操作する文化が根強く残っています。

構成管理や CI/CD などの自動化を前提とするなら、Ubuntu の sudo 運用の方が安全で整合性が取りやすいです。

仮想化とコンテナ環境の違い

両者とも KVM をハイパーバイザーとして採用していますが、Ubuntu は cloud-init や virt-manager のサポートが充実しており、クラウドとの連携が容易です。

CentOS は libvirt 周辺の制御が細かく、企業内で厳密に管理するケースに向いています。

コンテナ環境では流れが分かれています。CentOS 8 以降は Docker が外れ、Podman や CRI-O が推奨されています。

Ubuntu は引き続き Docker / containerd が標準で、エコシステム全体が Docker ベースで整っているため、学習・検証・実運用のどの段階でも扱いやすいです。

Kubernetes に関しては、Ubuntu では Snap 経由で MicroK8s を簡単に導入でき、シングルノード開発環境に最適です。

CentOS でも kubeadm による構築は可能ですが、依存関係の管理が煩雑になりがちです。

クラウド環境(EKS / AKS / GKE)では Ubuntu ベースが多く、クラスタ運用の実践にも直結します。

どちらが優れているかではなく運用前提が違う

Ubuntu と CentOS / RHEL 系の違いは、単純な優劣ではありません。長期安定性、商用サポート、クラウド対応、構成管理、SELinux / AppArmor など、どの前提を重視するかで選び方が変わります。

Ubuntu 22.04 を使う場合は、apt、Netplan、AppArmor、cloud-init、snap、systemd の標準的な使い方を理解しておくと、CentOS 系の経験を無理なく移せます。

まとめ

RHEL 系(CentOS)は「長期安定性と企業サポート」を軸に、Ubuntu 系は「軽量性と開発スピード」を軸に発展してきました。

どちらが優れているかではなく、どの設計思想が自分の運用モデルに適しているかを見極めることが重要です。

個人的には、仮想化・コンテナ・自動化といった現代的な要素を組み合わせて使う場合、Ubuntu の方が一貫性のある構築がしやすいと感じます。

ただし、既存の商用サポートや RHEL 系の資産を活かす場合には、CentOS / RHEL 系を選択する合理性もあります。

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