WordPress で「指定した日付から現在まで何日経過したか」を表示するショートコードを作る、という小さなメモを書いたことがあります。機能としては単純ですが、今あらためて見ると、これは WordPress の本文に機能をどう埋め込むかを考える題材になります。
ショートコードは便利です。しかし、記事本文に独自機能の呼び出しを増やしすぎると、将来のテーマ変更、ブロック化、プラグイン整理、記事移行のときに扱いづらくなります。この記事では、経過日数表示を例に、本文と機能の責務を分けて考えます。
経過日数表示は何に使えるか
経過日数表示は、たとえば「この記事を書いてから何日経過したか」「サービスを開始してから何日か」「検証環境を作ってから何日か」を表示したい場合に使えます。
ただし、技術ブログでは日数そのものよりも、初出日、更新日、再編日、現在の推奨状況を明示する方が重要な場合もあります。単に日数を自動表示するだけでは、読者に必要な文脈が伝わらないことがあります。
ショートコードは便利だが本文に残る
ショートコードの利点は、本文の中から機能を簡単に呼び出せることです。たとえば次のように書けば、指定日からの経過日数を表示する仕組みにできます。
[elapsed_days date="2023-07-01"]一方で、この記述は記事本文の中に残ります。ショートコードを提供しているテーマやプラグインを削除すると、本文にショートコード文字列がそのまま表示されることがあります。
| 方式 | 利点 | 注意点 |
|---|---|---|
| ショートコード | 本文から簡単に機能を呼べる | 提供元を消すと本文に残る |
| ブロック | Gutenberg の構造として扱いやすい | 独自ブロックは実装と移行を考える必要がある |
| テーマ関数 | 表示ロジックをテーマ側に集約できる | テーマ変更時に消える可能性がある |
| プラグイン | 機能をテーマから分離できる | 保守対象が増える |
| 本文に固定文で書く | 移行に強い | 自動更新はできない |
実装例
どうしてもショートコードとして実装するなら、日付の扱い、タイムゾーン、エスケープを意識します。次は簡単な例です。実際に使う場合は、テーマの functions.php に直接増やし続けるより、小さな自作プラグインに分ける方が管理しやすいです。
<?php
function si_elapsed_days_shortcode($atts) {
$atts = shortcode_atts(
array(
'date' => '',
),
$atts,
'elapsed_days'
);
if (empty($atts['date'])) {
return '';
}
$start = new DateTimeImmutable($atts['date'], wp_timezone());
$today = new DateTimeImmutable('today', wp_timezone());
$days = $start->diff($today)->days;
return esc_html(number_format_i18n($days));
}
add_shortcode('elapsed_days', 'si_elapsed_days_shortcode');functions.php に増やし続けない
WordPress では、ちょっとした機能を functions.php に書きたくなります。しかし、テーマを変更するとその機能も消えます。また、記事本文がそのショートコードに依存している場合、テーマ変更が本文表示の破損につながります。
サイト固有の機能として長く使うなら、テーマではなく自作プラグインとして分ける方が自然です。テーマは見た目、プラグインは機能、記事本文は内容、という責務分離にできます。
古い記事の表示には注意が必要
経過日数のような動的表示は、古い記事で使うと面白い一方で、読者に誤解を与えることもあります。たとえば「この記事は公開から 3000 日経過しています」と表示しても、その内容が現在も有効なのか、当時の記録なのかは別問題です。
古い技術記事では、日数よりも次の情報を明示した方が実用的です。
- 初出日
- 再編日
- 対象バージョン
- 現在も推奨するか
- 現在は非推奨なら代替手段
- 後続記事や関連する現在の記事へのリンク
現在ならどう考えるか
現在のブログ運用では、ショートコードを増やすより、Gutenberg のブロック構造、共通 CSS、広告カード、関連記事、記事更新日表記を整理する方が長期的に扱いやすいです。
経過日数のような動的表示は、必要な場所に限定して使います。記事本文全体の意味を補強するために使うならよいですが、単なる飾りとして増やすと、後から移行や再編の負債になります。
まとめ
現在からの経過日数を出力するショートコードは、WordPress の小さなカスタマイズとしては分かりやすい題材です。ただし、本質的には「本文に機能をどこまで埋め込むか」という設計問題です。
ショートコードは便利ですが、本文に依存が残ります。長く使う機能は自作プラグインへ分け、テーマは見た目、本文は内容、機能はプラグインという責務分離を意識した方が、後から記事を再編しやすくなります。
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