2024-04-26、ドル円相場が 158 円に到達し、約 34 年ぶりの安値となりました。以下、私の円安に対する考察を述べます。
近年の円安政策は、過去の高度経済成長期とは根本的に異なるものです。過去の円安は経済成長を後押しする要素でしたが、今日の円安は政策的な介入によるものであり、古い輸出企業の生存を維持するための手段として機能しています。
しかしながら、大きな違いは、高度経済成長期のような魅力的な工業製品が失われたことです。現代では、同様の製品が他国でも生産され、より低価格で提供されています。このような状況下では、日本の政策は競争力を維持するために更なる円安を追求せざるを得ない状況に追い込まれています。しかし、この政策は本来の魅力的な製品の開発や推進を怠った結果、日本の経済基盤が弱体化していることを示しています。
さらに、バブル崩壊後のコスト削減と非正規雇用の増加は、円安でしか対抗できない状況を維持するための政府や経済界の意向である可能性があります。これは企業の怠慢であり、少子化問題を加速させ、外国人労働者の選択肢を減少させ、円安をさらに促進する可能性があります。
本来、日本は製造業中心の産業構造から脱却し、新興産業(例:IT 産業)を育成すべきでしたが、政府や経済界はこれを怠りました。その結果、日本は米国の IT サービスに依存し、経済活動に対して資金を供給しています。このような状況では、日本の輸入依存度も高まっています。
要するに、極端な円安政策は、一時的な利益をもたらす一方で、日本経済の構造的な課題を浮き彫りにしています。長期的な視点を欠いた政策が、このような結果をもたらしたと言えます。現状の政策のままでは、経済活動をすればするほど、世界から取り残されていくようなものです。