IT の世界において、「クラウド」というキーワードが聞かれるようになって、もう 10 年以上は経つでしょうか。
単純に、Google でクラウドについて検索してみると、「クラウドとは、インターネットなどのネットワーク上で提供されるコンピューターの利用形態で、ハードウェアやソフトウェアを必要とせずにサービスを利用できるのが特徴です。」とあります。
まあ、その通りなのですが、エンジニアとしてシステムの歴史を知る人にとっては、これは単なるクライアントサーバーモデルであり、元から何も変わっていないということがわかると思います。それをさらに使いやすく、オンデマンドで使えるようになったものをクラウドと言えるかもしれません。
つまり、それ以上でも以下でもないということです。
では、なぜクラウドとあえて言っているのか、というと、単なるマーケティング用語に過ぎないということです。強いていうなら、PC に何かのアプリをインストールして使っていた非エンジニアから見たら、ネットワーク上に情報が存在すること自体が新しいこと=クラウドと思っているのかもしれませんし、それをターゲットにしているのなら、その文脈を前提にすればエンジニアから見ても多少は腑に落ちるかもしれません。
他方で、クラウドという言葉があまりに氾濫しており、素人に毛が生えたような人が、背景や詳細を知らずにやたらとクラウドクラウドというもの、見ていて恥ずかしい限りではあります。これは全体的に程度の低い環境であれば成り立ちますが、専門性のシステムエンジニアの高い環境ではこのような議論はしませんし、どこでどう稼働させるかは単純な選択肢に過ぎません。
まとめると、非エンジニアがクラウドと言っても、現代においては何も意味がないということです。なぜなら今のシステムはほとんどがクライアントサーバーモデル=クラウドであり、とても不毛な話であることを理解すべきです。どちらかというとエンジニアサイドで意味のあることだと思った方が良いでしょう。