QNAP の NAS は素晴らしい製品です。すぐに NAS として利用でき、簡単に RAID を構築できるなど、数々のメリットがあります。しかし、以下のように気になる点も存在します。
- SNMP で参照できる値が少しおかしいです。
- NFS の設定が限られています。
- メモリが少なく GUI が遅いです。
- 後継機が高価です。
ただし、これらの問題は使用上の大きな障害にはなりませんし、通常は、その豊富な機能のメリットの方が大きいかもしれません。この辺は使う人の感覚もありますが、私の場合は結構気になります。
このような理由から、私は QNAP から自作の NAS に移行しました。私にとって必要なのは Samba と NFS、そして USB ドライブへの自動バックアップだけです。これらの構築は、長年 Linux と付き合ってきた私にとっては簡単ですし、何より自由度が高いことが Linux の最大の魅力です。
一点、見送った機能として、RAID があります。
あらためて、RAID の必要性を考えてみましょう。RAID1 を前提としますが、RAID1 はストレージの冗長性が目的であり、片方のストレージが故障しても、片方のストレージで無停止でサービスを継続できるというものです。つまりミラーリングです。プロダクション環境のストレージでは RAID6 などを使用するのが当たり前ではありますが、自宅の NAS のストレージが故障した場合は、バックアップしている USB ドライブをそのままマウントして一時的に使えるので、それで十分だと判断しました。RAID にするとストレージを複数用意する必要があるので、コストもかかります。
使える機能はできるだけ使いたいということもあるのですが、運用負荷やコストも考慮して、NAS を使っていこうと思います。
QNAP から自作の Linux NAS に変更