.local ドメインが良くないことは一般論的に知ってはいたのですが、何故か使っている顧客も多く、問題に直面したこともなかった為、あまり深く考えていませんでした。
そもそも .local は mDNS で使われるトップレベルドメインであり、mDNS はマルチキャスト (224.0.0.251) で問い合わせを行い、それの到達範囲で応答できるホストを対象と認識する。この為、DNS サーバーの必要はないというもの。
なので、.local を使用している場合は、mDNS 前提のソフトウェアがあると、mDNS なんだと思い、マルチキャストするので意図した動きとなりません。
mDNS の無効化が可能な場合もありますが、アプライアンスの場合は不可能な場合も多いです。
使えているので .local でいいかー、ではなく長期的な運用を考えると .local は絶対に使わないほうがよいです。DNS はシステム構築の初期に導入されますが、一度導入して運用に入ると後からの変更は容易ではありません。ネットワークと同じくシステムの根源的な位置づけだからです。
プライベートネットワークであってもインターネットでユニークなもの、または、それのサブドメインが推奨です。
mDNS の具体的な例として Ubuntu の標準的な設定では DNS 参照に systemd-resolved を使用しますが、これは mDNS が有効になっている為、DNS 参照での .local ドメインの解決はできません。仮にどうしても .local で解決したい場合は hosts に書くと DNS を参照しない為、名前解決できます。ただし .local ドメインを使わないようにする大前提は変わりません。